私にだってわからない

 地道にやる方が好きだ。わけのわからない人間関係に振り回されるよりも、こつこつと、小石を積み上げるような作業を一人でやっていきたい。
 でも、その考え方はある意味スゲェ危険。超絶危険。
 なぜって、要するに、自分は特別だと思ってるからこそ、そういう発想ができちゃうわけだからね。
 僕だけじゃない。みんなだって、多かれ少なかれ、人間関係は煩わしいと思っている。それでも渋々やっていっているわけだから。自分だけ楽しようと思うなんて、ムシのいい話だ。
 そして、その理屈と同時かつ並列的に考えなければならないことは、苦しいことが正しいわけじゃないこと。そう、それである。
 ついつい、苦労を乗り越えることで一人前になる、という日本的価値観に流されそうになるが、価値観は価値観であって、常に正しいとは限らないのである。苦労しすぎて壊れちゃったらなんにもならない。
 というと、じゃあ結局なにが正しいんだよ、という話になるが、そんなことは俺にもわからん。むしろ教えて欲しいくらいだよ、実際。
 一つだけ言えるとしたら、自罰的になりすぎないことが肝要、なんじゃないのかな。多分。