声の響きは体のカタチで決まる

 発声は脱力だ、と以前ブログに書いたが、もちろん脱力するだけでは上手く歌うことはできない。

 脱力は、自然に、無理なく、効率よく声帯を鳴らすための方法であって、声帯と息によって出来上がった声がどんな風に響くかを決めるのは、声帯を含めた体全体のカタチである。金管楽器の音色が、唇の振動と、楽器自体の形状によって決まるように。

 金管楽器と違う歌の強みは、音色を変化させることが出来る幅が広い、ということにある。特にポップスの場合。楽器みたいな一本調子の歌い方が許されるのはボーカロイドだけだろう。

 歌において音色を変化させるには、体の形を変化させながら歌うしかない。といっても歌いながらダンスをしろというわけではなく、主に体の内側、口や鼻や喉や気道や胸などの、響鳴部分を動かすのである。

 例えばボイストレーニングなどでよく言われるのが、「軟口蓋を上げる」というテクニック。口蓋というのは要するに口の中の天井の部分のことで、軟口蓋というのは喉よりの方の柔らかい部分を指す。

 こういう体の使い方を、歌う時だけではなく普段の生活で意識するようにした方がいいのだろう。

 というようなことをこないだカラオケをやりながら考えた。カラオケかよ。