カラオケで喉を慣らす方法について

 歌というのは、その日歌い始めてからいきなりベストコンディションで歌えるわけではない。発声練習を、出来ればみっちり一時間以上やって喉を鳴らしてやるのが理想である。

 しかし、最近カラオケにハマっているのだが、普通カラオケで発声練習をする人はあまりいない。隣の人から「うわ、あの人本気だな」とか思われたらイヤだしね。

 と同時に、カラオケの料金は時間制であるゆえ、出来れば短い時間で効率よく、気持よく歌ってモトを取りたい、と思うのが、人情というものなのではないかと思う。

 そんなわけで自分がカラオケに行くときは、自然と「どうすれば早くベストの声を出せる状態を作り出せるのか」ということを毎回試行錯誤するようになった。ヒマだなオイ。

 最初に思いついたのが、普段より音程が低い歌を歌って慣らす、という方法だったが、低い歌を歌っても高い声の発声練習にはなりづらい感じがしてイマイチだった。

 次に、激しい歌を激しく歌って声を出す、というのもやってみたが、ベストの状態になる前に声がかれてしまった。問題外である。

 余談だが、よくカラオケに行くと、やたらと怒鳴るような歌い方をする人が多い。ストレス解消という観点から見れば正しいのかもしれないが、それで喉を痛めてしまったりしたら
むしろ別のストレスが増えてしまうのではないだろうか。

 で、最終的にたどり着いたのが「いつもの歌を小さな声で歌い、徐々に大きくしていく」という方法であった。

 なんだかんだ言っても、声というのは、出していればそのうち出るようになる。ムリヤリ変な発声をしたり、怒鳴って声をからしてしまうよりも、車のエンジンを暖めるように少しずつ動かしていくのが、遠回りのように見えて一番近道なのではないかと思う。

 喉が慣れていないと高い声が出ないわけだが、このとき変に裏声を使ったりしてしまうとなかなか喉が慣れないし、変なクセがついてしまうような感じが個人的にしている。曲に埋もれて聞こえないくらい声量でもいいから、ちゃんと普段通りの歌い方をしたほうがよさげ。