国道沿いを。

 心にできた穴は、必ずしも埋められるとは限らない。ずっと空洞を抱えて生きていかなきゃいけないかもしれない。

 お互いが善意を持っているのに、傷つけあってしまうとしたら、悲しい。

 どうしていいのかわからない。自分の欲望や醜さを、どのようにしていいのかわからない。

 自分の意志が無さすぎると言われた。依存されたくないと言われた。どっちも、とても大切な人に。

 ぼくはすぐなにかに頼ってしまう。誰かがなんとかしてくれると思ってしまう。自分からやろうとすることは、いつもしょうもないことばかりだ。子どもじみたことばかりだ。

 誰かの心に、暗いしみを残すようなことは、もちろんしたくない。したいわけがない。なんて。

 考えながら、歩いた。