眠り

 心にわだかまっていることがあると、眠りが浅くなる。当然の帰結だ。

 そして人生において、大抵の問題は、ハッキリとした解決を見ることなく、あいまいなまま置き去りにされる。そのまま人生の時間は過ぎていく。

 例えばこのブログのアイコンにしている写真は7年ほど前に撮ったもので、とてもやりきれない気分で撮ったものなのだが、そのときのやりきれない気分の大半は今も引きずったままだ。

 あらゆる苦しみを、あらゆる過去と未来を、あらゆる罪を、あらゆる「しでかし」を、全て忘れることができれば、ぐっすりと眠ることができるのかもしれないし、あるいは全て忘れなくても、いったん脇に置いてぐっすり眠ることが、処世術、というものなのかもしれない。

 そのとき男は酒を飲むのでしょう、というような歌もあった気がする。そのようにしたとしても、誰も責める人はいないだろう。でも少なくとも今は、そんな気分にはなれそうもない。