日本人の「神観」についてドラゴンクエストを通して考える 2020/10/25

今日読んだ本の話。

かつて日本は
神仏習合で本地垂迹だったので
神道と仏教は一体だった。
神社の隣に寺院が建っていた。
明治時代に廃仏毀釈が進められ
一度は仏教がマイナーになったが
その後盛り返した。
そしてその間
国民的な反対運動のようなものはほぼ起こらなかった。
正月に神社に初詣に行き、キリスト教式で結婚式を挙げ、仏式で葬式を出す
日本人にとっての神とは、なにか漠然とした「偉大なもの」であり
それが場合によって形を変える
そういう宗教観なのではないか。
そんな話。

日本人の宗教観は
人気ゲームである「ドラゴンクエスト」にも
表れているのではないか?
とふと思った

ドラゴンクエストには何人かの神的存在が登場する
精霊ルビス、マスタードラゴン、ゼニス王、神さま(DQ7)、レティス、聖竜
彼らの関係性や具体的な出自については作中であまり語られない
いつも人間を見守っていて、主人公の助けになる。
ときに悪のものに敗北し姿を隠すことがあるが、主人公の助けなどによって復活する。
ときおり人間に罰を与える。
特に気になるのがドラクエ7の神さま。
仲間の回想シーンに登場するときは威厳ある老人の姿をしている。
しかしその後主人公が出会うときには白いローブをまとい丸っこい体型と鼻を持ったサンタクロースのような顔の「おじいちゃん」になっている。
やはり姿が変わったことについての説明などはない。
1~3の後、突然6に登場した精霊ルビスの唐突さもなんとなく気になるところ。

海外のゲームと比較すると「The Elder Scroll」シリーズなどは
それぞれの神の役割や出自がかなりカッチリ決められている。
エジプト、ギリシャ、ローマといった古代文明の神話の構造をモチーフにしているのだろう。
いかに日本人の神観が曖昧で混ざり合っているかの証左になるんじゃないだろうか。

日本習合論