VTuberに感じる新しい「無さ」について

VTuberは面白い。でも新しさはそれほど感じない。VTuberが登場した頃は全く新しい未知の存在であるかのようにもてはやされていたらしいけれど、現状の人気VTuberに関してはそうでないと感じる。自分が長く生きてきたせいで新鮮味を感じられなくなっているだけの可能性は大いにあるが。
ニコ生主のような生配信。テレビのような企画番組。アイドルのような関係性による売り出し。少なくともそういった要素に関しては既存のものの繰り返しと言っていいだろう。別に新しくないことが悪いことだとは全く思わない。

VTuberに新しさがあるとすれば、新しいものが「ある」のではなく、既存のものが持っている古さが「無い」点にあるのではないか。
既存のアイドルのような容姿至上主義が無い。既存のお笑いのような厳しい縦社会、男性中心主義が無い。VTuberの配信を見ていると、クオリティの差はどうあれ、今のテレビがひどく古臭いものに見える。
しかしVTuberが既存のヒエラルキーを打ち壊す完全に自由な存在である、と考えるほど楽観的ではない。既存の芸能界的なものに変容、あるいは吸収されていく可能性は大いにある。